アンダーキャットの考察日記



カテゴリ:映画( 3 )


Ma Vie En Rose


c0157628_18403886.jpg邦題:ぼくのバラ色の人生

女の子になりたい男の子Ludovicのお話。今でいう性同一性障害がストーリーの柱です。数週間前に何気なく観たのですが、Ludovicの純粋さが印象的で今でも心に残っています。今でこそ同性愛が認められつつありますが、それでも世間の風当たりはまだまだ強い。まず、性同一性障害の"障害"ってすでに差別的だと思うんですが、どうなんでしょう。

この映画は1997年のフランス作品なのですが、性についての認識が進んでいると思われるお国でも当時やはり差別はあったようです。それに心を痛める家族ら、Ludovic自身。誰も悪くないはずなのに、彼らがどんどん辛い立場に立たされていく様子に、いたたまれない気持ちになりました。

ニューヨークだと近所にこういう子がいてもあまり違和感がないのですが、自分の実家がある田舎の集落でこんなことが起きたら、大変なことになるのは容易に想像できます。。隣ん家の男の子が、スカートをはいて学校に来たら…人形遊びが好きだったら…。いくらメディアがそういう子がいてもおかしくないと謳っても、実際に隣の家にいたら受け入れられないのでしょう。


自分が男の子ではなく"女の子"であると認識したの5歳くらいでしょうか。それまでは、どちらかというとやんちゃで格好も男の子のようだったので、自分の性をはっきりと意識することはありませんでした。それでも、女の子はランドセルが赤だし、連れ立って女子トイレに行くし、初恋の相手も男の子だったので、「あー、私は女なのだ」と思うようになりましたが、Ludovicのように疑問を持ってしまったら、一体どう行動していただろうと考えてしまいます。


私の友人のゲイH君は、そのことを親にはひた隠しにしてきたそうです。30歳過ぎても一度も女の子を親に紹介したことのない彼。オハイオに帰郷する度に母親はお見合いを勧めてくるし、父親は男らしくシャキッとしろと怒鳴るらしく、相当苦労をしている様子。隠し事というのは相当エネルギーを使いますから、ニューヨークに来て正解だったと思います。しかし、余計なお世話ながら、この先も隠し続けることができるのか心配です。

この映画は大人が心配するいろいろな問題に結論は出していません。Ludovicの自己実現のみに焦点が合っているので、心理学的な解釈もあやふやに、将来どうなるだろう、こうなるかも、という説明は一切ありませんでした。実際に子どもはその瞬間を生きているので、その点でLudovicは子どもの心情をよく表していたと思います。


昔に比べると性の違いの境界線は確実にぼやけてきているように思います。女性が働くのは当たり前の世の中ですし、主夫になる男性も増えてきました。女が男役でも男が女役でも、社会生活を営めるのであれば問題のない時代に移り変りつつあります。それでも現実社会では人と違うことで傷つくことも多くあります。しかしこの"違い"に過剰反応せず、Ludovicのようにありのままの自分を受け入れる気持ちを忘れないようにしたいですね。
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by makaleo | 2008-12-23 18:41 | 映画

THE KITE RUNNER (カイトランナー)

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Khaled Hosseini(カーレド ホッセイニ)原作の" The Kite Runner"(邦題:「君のためなら千回でも」)をDVDで観ました。本もベストセラーで話題になっていた作品なので、公開と同時に映画館で観たかったですが、タイミングを逃してしまいました。

主人公はアフガニスタンで育ちアメリカに亡命した少年Amir。生まれ故郷からの電話をきっかけに、幼い頃の罪の記憶を辿る旅が始まります。タリバン政権の社会的問題を背景に、人間の残酷さ、裏切りを描いています。途中やるせない気持ちになるシーンもありますが、その中で小さく光る人間の希望と美しさが救いでした。作者が実際にアフガニスタンからの亡命者ということもあり、描写がとてもリアルでどっぷり感情移入してしまいました。

切なくも美しい映画でした。
恥ずかしながら号泣してしまいました。

家で観ててよがっだぁ(涙)。

2日連続で観ましたが、2回目の方がなぜか涙止まりませんでした。
あー、今思い出しただけで、またうるうるしてきちゃったし。。。
ちょっとおおげさですが、生き方を変えてしまう映画って世の中にあると思います。
私にとって、この映画はその中のひとつですね。

水野晴郎さんが残した名ぜりふを思わずつぶやきたくなる作品です。
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by makaleo | 2008-06-28 02:19 | 映画

once ワンス ダブリンの街角で

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"once"(邦題:ワンス ダブリンの街角で)
久しぶりに目頭が熱くなり、あたたかい余韻が残るいい映画でした。

舞台はアイルランドのダブリン。街角で歌うストリート・ミュージシャンとチェコからの移民の女性のラブ・ロマンス。と、言ってしまうとちょっとありがちに聞こえてしまいますが、この映画の持つ独特の温度は他と違いとても新鮮です。傷心な主人公の二人は、お互いの持つ"傷"と"音楽の感性"で共鳴し合います。ストーリーは地味で、全く華やかではないのですが、実際に起こりえる素朴な話が観ている人の心を打つのかもなぁ、なんて思います。

87分間という短い映画なのですが、ものすごく長く感じました。
多分観ている間に自分の過去とだぶらせて、オリジナル・シナリオを間間に入れていたからだと思うけど(笑)。

さみしくて、美しく、人が愛しくなるハッピーエンド。
ラストシーンの後に残った感動と、主人公グレン・ハンサードの歌声。いつもはこういう音楽は聞かないのですが、映画の影響で早速iTuneストアで即サントラ購入!

人は孤独です。
それを認めてしまえばあとは人を愛するしかないよねー、なんてサントラを聞きながら感傷に浸っている私でした。


makaleo的オススメ度
★★★★★
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by makaleo | 2008-01-06 14:06 | 映画


ニューヨークに暮らすGデザイナー&美大生。日々の悶々とした考察について綴っています。※ブログの写真や記事の無断転載お断り
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